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2014年1月5日日曜日

絵本で残す生きた軌跡「優しいあかりにつつまれて」(名取市閖上)

エムです。

12月の冷たい雨が止んだ曇り空のある日、私は東日本大震災の津波によって家族4人を失った、ある家族を訪ねました。

竹澤守雅さんと妻さおりさんは、さおりさんの父親を津波で失くし、ずっと行方が分からなかった祖母はようやくこの秋、DNA鑑定で見つかりました。しかし母親と当時8カ月だった長男雅人ちゃんの行方がいまだに分かっていません。

震災当時、さおりさんの実家があった名取市閖上に雅人ちゃんを預けていた時、東日本大震災が発生したのでした。
やり場の無い悲しみを抱え、復興に向かう社会との乖離(かいり)に戸惑いながら、生きる意味や道を見つけようとしてきた2年10カ月。その時間の流れは竹澤さん夫婦にとって長かったのか短かったのか、私たちには想像することもできません。一見普通に生活をしているように見える現在ですが、今も懸命に雅人ちゃんと母親の捜索を続けています。

そのような暮らしの中、さおりさんは平成26年1月、もう1人のママと共に、1冊の絵本を出版します。
タイトルは「優しいあかりにつつまれて」

チラシ表面

もう1人のママである著者のたかいちづさんは、19年前の阪神淡路大震災で当時1歳半だった長男しょうくんを亡くしています。阪神淡路大震災と東日本大震災、大きな2つの災害で小さな命を亡くした2人のママが運命のように出会い、今回の出版につながりました。

双子の兄妹だった たかいさんの長女ゆうさんは、来年成人式を迎えます。
ゆうさんのために振り袖を用意するように、亡くなったしょうくんへの思いを綴った絵本を用意したかった たかいさんと、震災後生まれた長女に、自分たち家族に起きた事をいつか知ってもらうのに、絵本が良いと考えていたもう1人の著者さおりさん。
そんな2人は辛い体験と思いが共鳴し、家族ぐるみで交流を重ねてきました。
一時は、どうやって生きていけばいいのか、真っ暗な闇の中にいた竹澤さん夫婦が少しづつ力付けられ、どうにかここまでやってこれたのには、たかいさんとの出会いが大きかったと言います。


チラシ裏面(印刷して注文書としてお使いいただけます)

同じ境遇の人同士でしか分かち合えない思いを語り合ううちに、絵本を作りたいという同じ気持ちがあることを知ったのは今年(平成25年)3月のこと。
その後、絵本にとって大事なイラストレーターを探していたたかいさんは、ネット上で「ひらたゆうこ」さんと「ひらたひさこ」さんという双子のイラストレーターを見つけました。
画風が気に入ったたかいさんですが、同じ双子だということにも運命的なものを感じ、お願いする事にしたのだそうです。
しかも2人のひらたさんの誕生日は竹澤雅人くんと同じ日。

偶然とは思えない出会いの中から生まれたこの絵本は、もちろん悲しい体験から生まれたものです。
ですが、同じ体験をしてはいなくとも、日々、何らかの葛藤や悲しみを抱え、なんとか生きていこうと頑張っている人の心に響く力、そして勇気を与えてくれるような温かさに満ちているのはなぜなのでしょう。

さおりさん著「いっしょに」より(© ひらたひさこ)

「優しいあかりにつつまれて」は出版前から各分野で話題になり、平成25年6月末にはNHKの「あさイチ」でも取り上げられました。
その頃はまだイラストも数ページしかできていなかったそうですが「1ページ1ページとイラストが上がってくると、感謝と感激でうれしかった」と守雅さんは言いました。
現在は印刷に入り、出来上がりを待つだけですが、色校正のための絵本を手にした時、守雅さんは「雅人がここに帰ってきてくれた」と感じたそうです。

さおりさん著「いっしょに」より(© ひらたひさこ)

「自費出版ですが、ここまでくるのにたくさんの人が関わっています。出版社の方に相談にのっていただいたり、寄稿してくださった方など、いろいろな人に協力していただきました。
初めは気楽な気持ちで、手作りで作ろうと思っていた絵本がこんな立派な絵本になって、大勢の人に読んでもらえる事になりました。皆さんに支えられて、これからも生きていくんだという気持ちが増えたみたいです。感謝の気持ちでいっぱいです」
さおりさんが言いました。

部屋には笑顔の雅人ちゃんの写真が飾られています

多くの人は(私も含めて)自分の辛い体験を公表するにはためらいがあります。
誰にも触れてほしくない気持ちもありますし、心ない言葉でさらに傷付くかもしれません。
たかいさんと竹澤さんが絵本という形で公表するには、なんらかの理由があったはずです。

双子の兄妹のお母さんだった たかいさんは子どもを失った時、これから自分はどう生きていけばいいのか、その悲しみの中で幼い娘をどう育てていけばいいのか、この小さな娘の悲しみをどう受け止めてあげればいいのかが分からなかったそうです。
たかいさんは、同じ経験をした人がどう生きてたかを知りたくて子どもを亡くした人の文集などを読んだりしたました。
そしてまた、きょうだいを亡くした子どもたちがきょうだいを失った悲しみの中でどう育っていくかも知りたかった たかいさんは、そういった内容のものを探しましたが、見つけることはできませんでした。
そんな経験から、この絵本が、子どもを失った人が悲しみの中でどう生きればいいのか、きょうだいを失った子どもも親と同じように悲しんで生きていることを知っていただくきっかけになればと話しています。

さおりさんもまた「多くの人にこんな子が居たと知ってほしい」
「(もちろん起きない方が良いですが)今後、大きな災害などで子どもを失くした自分たちのような境遇の人がいたときに、自分たちがどんなふうに生きてきたのかを残したい。そして、いつかたどり着いてくれたらいいと考えています」

2人はそんな気持ちを勇気を支えに「絵本」という形で公表することにしました。

だからこそそこには悲しみだけではない、たくさんの勇気と慈愛が描かれ、読んだ人の心を温かく包むのではないでしょうか。
たかいさんとさおりさんの決心と愛の詰まった絵本、「優しいあかりにつつまれて」
平成26年1月13日に発売されます。


たくさんの人に支えられた感謝の気持ちを語ってくださった竹澤さん夫婦
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「優しいあかりにつつまれて」はFAXかインターネットで注文することができます。

(株)くとうてん 気付「オフィス 優しいあかり」
絵本の表紙
FAX/078-332-3415
 ・送り先住所 ・氏名 ・電話番号 ・FAX番号
 ・メールアドレス ・申し込み冊数 
をお書きのうえ上記の番号にお申し込みください。
※ 支払い方法や発送方法などのお知らせをいたしますので連絡用に必要です。
(上記画像のチラシ裏面を印刷したもので申し込みくださると便利です)

インターネット
『優しいあかりにつつまれて』
http://yasashiiakarinitutumarete.web.fc2.com/

1冊¥1,680(¥1600+税)
※平成26年4月1日より消費税8%のため¥1,728になります。
(売り上げの一部を東日本大震災の行方不明者捜索活動などに寄付させていただきます)

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竹澤守雅さん ブログ「雅人のとうちゃん」 http://takesaotakeyan.blog51.fc2.com/

ツイッター「雅人のとうちゃん」
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《ふたごのイラストレーター「ラクガキ屋 ユウとヒサ」》
ひらたゆうこHP http://rakugakiya-yh.com/
ひらたひさこHP http://rakugakiya-hisa.com/

☆平成26年1月16日(木)にNHK「あさイチ」で紹介番組が放送予定

(取材日 平成25年12月21日)