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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年5月15日水曜日

2013年5月15日水曜日13:42
皆さん、こんにちは。スーサンです。

宮城を代表する朝市の1つである名取市閖上(ゆりあげ)地区の「ゆりあげ港朝市」が、5月4日、被災した従来の場所で2年2カ月ぶりに営業を再開しました。

それに合わせ、足を運んでみました。

被災地の商業施設としては初の本格的な復活となり、大きな関心を集めています。

朝早くから大勢の人が詰め掛けました
周囲は更地が広がったままで、かろうじて、朝市来場者の
車がにぎわいを演出していたようでした
ゆりあげ港朝市は37年前、地元に店舗や水産加工場を持つ商店主らが、町の活性化のために始めたといいます。

テント張りの店舗には、閖上港で揚がるアカガイをはじめとした魚介類に加え、地物の取れたて野菜が持ち込まれ、さらに、さまざまな加工食品や日用雑貨などが並んでいきました。

漁港そばの市有地(約6千3百㎡)を会場に、1年を通じ日曜・祝日ごとに開催され、震災前は51の出店を数えていました。

朝市の東側は、貞山掘が合流する内湾「広浦」になってい
ます。手前に見えるのが新設の店舗棟
朝市は地域の商業拠点であり、仙台市近郊では不動の観光
名所となっていました
再開を迎えたこの日、午前6時の開店とともに人混みは切れ間なく続き、往時の平均的な来場者を大きく超える1万5千人以上が詰め掛けました。

櫻井広行・ゆりあげ港朝市協同組合理事長(58)は、現地での復活にうれしさをにじませ、次のように話していました。

「地元住民の皆さんにたくさん来ていただき、握手攻めに遭いました。前に進もうと思ったきっかけは、お客さまの支援があったからこそです。やっと閖上で復興の第一歩を踏み出すことができ、朝市が先陣を切ることができました」

来場者に感謝の気持ちを伝える櫻井理事長
震災によって、閖上地区は壊滅的打撃を受けました。同組合では、組合員51人のうち4人が犠牲となり、15人が自宅のほか、所有する店舗、加工場、農場などが全壊したといいます。

こうした状況から当初、朝市の開催は絶望視されていたようです。ところが、同組合では動き出したのです。

震災直後の乏しい食料調達の事情を見るに見かねて、自分たちも被災者であるにかかわらず、市内全11カ所の避難所で無料配給を行いました。そして被災から1カ月もたたないうちに、1回という限定でしたが、朝市を再開したのです。

元の場所から内陸に5㎞ほど入った美田園(みたぞの)地区にあるイオンモール名取の協力を得て、駐車場の一部を会場とするものでした。

この英断への反響は大きく、再開の日時を問う声が相当数寄せられたといいます。以降、今回の現地復活に至るまで、朝市の営業は場所を変えることになりましたが、命脈を保ってきたわけです。

閖上港で揚がる新鮮な魚介類も人気を支えてきました
閖上での朝市再開に当たっては、カナダ政府などが取り組む被災地支援活動「カナダ-東北友好プロジェクト」によって、長屋式の店舗棟2棟(285㎡)に加え、友好を表す「カナダ-東北友好記念館『メイプル館』」(496㎡)が建設されました。

木の温もりと香りを実感させる両建物は、以前にはなかった常設施設となりました。名取市に寄贈されて、ゆりあげ港朝市協同組合が借り受けることになりました。

震災後の組合員数は43で、店舗棟には先に14店が入居しました。当面は、テントによる出店を併用した営業展開となるといいます。

秋までにはさらに、宮城県のグループ化補助金によって、同様の施設が3棟増築される予定です。

店舗棟に対しては、木の質感が大変好評のようでした
メイプル館には、カナダ文化の展示コーナーや、
平日も営業するレストランがあります
再開初日は、早い時間帯に販売商品がさばけていったようで、「売るものがなくなった」といった、うれしい悲鳴があちこちで聞こえてきました。

買い物客に耳を傾けてみると、オープンを知って、久しぶりに来てみたという人がたくさんいました。商店主らとの会話を存分に楽しむ姿が、復活を象徴するものとなりました。

朝市での販売品目は、鮮魚、塩蔵・乾物品、野菜、果物、生花、精肉、総菜、味噌、加工食品などと、実に多様です。こうした品ぞろえの豊富さと割安価格での提供が、絶大な人気を支えてきたようです。

今後、旬に合わせたさまざまなイベントを開催する予定で、その都度、組合員以外の店舗などが加わるといいます。

販売商品は実に多様で、しかも割安です


本格中華も楽しめるのです
〝本拠地〟で買い物客を迎えた商店主に、意気込みを聞いてみました。

鮮魚・飲食業を営む「まるしげ」の佐藤智明社長(49)は、「多くの方々に来ていただいて、また大変励まされました。復興では、地元の商店、企業自らが立ち上がっていくことが必要です」と語っていました。

青果業の「栁(やなぎ)屋」では、栁沼宏昌代表が「安全面は組合全体で確認を取り、スタートさせました。お客さまにぜひ来ていただくことで、もう一度販売にかかわっていければ」と述べていました。

閖上地区で復興の先陣を切ることになった市場です。被災各地の商業施設、市場が追随していけるような見本を、これからのにぎわいで示してくれることを期待しました。


ゆりあげ港朝市
毎週日曜・祝日
午前6時から同10時まで


問い合わせ
ゆりあげ港朝市協同組合
名取市美田園7-1-1
022-395-7211
http://asaichi.yuriage.jp/


(取材日 平成25年5月4日)