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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年12月28日金曜日

2012年12月28日金曜日23:38
皆さん、こんにちは。スーサンです。

多賀城市にあるソニーの仙台テクノロジーセンター内に昨年12月に開設された「みやぎ復興パーク」で12月20日、1年遅れの開所式が行われ、入居する一部の企業・団体の事業が公開されました。

きょうは、その様子をお知らせします。

現在、21の企業・団体が入る「みやぎ復興パーク」
みやぎ復興パークは、ソニー仙台テクノロジーセンターで遊休状態になっている研究・工場施設が活用されています。震災後の東北のモノづくり産業の復興・創出を図る、被災企業をはじめとした中小企業・団体などへ貸し出される施設です。負担金は1㎡当たり月額700円といいます。

同センターは震災の津波被害によって、一時、操業を停止しました。この結果、事業再編を余儀なくされ、一部の事業を同社の他の拠点に移転せざるを得ない状況になったといいます。事業の見直しで、建屋7棟(延べ床面積38,908㎡)という施設の4割弱で遊休化が発生していました。

ソニーでは同センターの遊休施設の有効活用を検討し、昨年、宮城県に10年間にわたる無償提供を申し出ました。県では東北経済連合会、東北大学などと協議し、県の外郭団体である「みやぎ産業振興機構」が運営主体となり、みやぎ復興パークを開設することとし、昨年10月から入居者の募集を始めていました。現在は21の企業・団体が入居しています。

同機構では、施設のオープンから1年が経過し節目を迎えたことや、入居者数が20を超えたことなどを考慮し、これまで見送ってきた記念式典の開催を決めたといいます。

昨年12月にオープンしていましたが、被災復旧が
急務とされる中で、式典は先送りされていました
開所式には経済人や大学、自治体などの関係者ら110人が招かれました。同機構の井口泰孝・理事長は主催者として、「産業創出の拠点施設であり、産学官のつなぎ役として後押ししていきたい」とあいさつ。村井嘉浩・県知事は「本県がモノづくりを進めていく上で心強い」と話しました。

里見進・東北大学総長は「地域が主体となる産官学の連携が必要になる」と述べました。ソニーの中鉢良治・代表執行役副会長は、仙台テクノロジーセンターが1954年(昭和29年)に東北大学との共同開発をベースに設立されたいきさつを挙げ、「復興では技術革新が求められている。産学官のプラットホームになってほしい」と語りました。

開所式の終了後、入居の企業・団体のうち一部に限定されましたが、事業を視察できる施設見学会が行われました。

「次世代移動体システム研究会」を組織する東北大学未来科学技術共同研究センター(仙台市)は、トヨタ自動車東日本(大衡村)、引地精工(岩沼市)、工藤電機(仙台市)とともに、経済産業省の補助事業により、次世代自動車の共同開発を行っています。みやぎ復興パーク内では、およそ2千㎡のスペースを活用することで、屋内での走行試験ができるといいます。

自動制御でハンドル、ブレーキが操作される電気自動車
自立走行ができるという1人乗りの電気自動車。障害物があると高精度のセンサーが感知し、自動制御によりハンドルを切り、停止するといった動作が可能といいます。用途に応じた7種類の車が展示され、注目を浴びていました。

多様な最新の技術を網羅し車体に搭載したというのが、電気バスでした。車輪に内蔵された、永久磁石を必要としないモーターや、3次元カメラを使った周辺認識技術を装備。さらに、線をつながなくても充電できる「非接触給電システム」が応用されています。

東北大学では、この電気バスの実証実験を青葉山新キャンパスで行う考えです。仙台市営地下鉄が平成27年に開通した後に、学内でバスを運行させる計画です。まず、そのうちの1台をこの電気バスにする予定です。

この電気バスには村井知事らが実際に乗り込み、パーク内を移動して施設見学を行いました。

村井知事らを乗せた電気バスは、いずれ、東北大学の
青葉山新キャンパスで実証実験が予定されています
1次産業が2次(加工)と3次(流通)までも総合的に手掛ける「6次化」で、コンサルティングなどを展開するファミリア(仙台市)は、農産物加工の工場を設置し、パンなどを製造していました。また、乾燥・パウダー化の技術を元に、長期間保存が可能な非常用食料の開発にも取り組んでいるといいます。

多賀城市内の工場が被災した福島印刷工業(東京都)では、パッケージの特殊印刷「コールドスタンプ加飾技術」などが紹介されていました。

今回、その他の企業・団体の事業は非公開とされましたが、高い技術力が見込める企業が進出しています。「みらい」(千葉県松戸市)は、LED(発光ダイオード)照明を使った野菜の工場内栽培を実証実験しています。仙台市宮城野区蒲生に工場があった昭特製作所(神奈川県川崎市)は、金属材料規格試験片などを製造しています。

新しいテナントとして、制御システムに対するサイバー攻撃を研究する、技術研究組合制御システムセキュリティセンター(東京都)と、東北大学未来科学技術共同研究センターの半導体部門が予定されています。これで入居率は41%になるといいます。

みやぎ復興パークは新しい産業を創造するという点で、有望視されているようです。地元の多賀城市では、同施設に減災技術が集積するのを期待し、「減災リサーチパーク構想」を立ち上げています。

次回は、こうした動向を追っていきたいと思います。

(取材日 平成24年12月20日)