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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年8月25日土曜日

2012年8月25日土曜日23:30
平坦な土地と砂浜が続く東松島市の野蒜地区。
そこを通り過ぎて短い橋を渡ると宮戸島。
急に景観が変わり、「日本三景・松島」とよく似た景観が現れます。
それもそのはず、ここは「奥松島」と呼ばれる地域。
有名な瑞巌寺のある松島町から見れば、松島湾の北東の対岸に当たります。
 
 
宮戸島の大高森からの眺め


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ココロデスクです。

お盆明けの土曜日。この奥松島の宮戸島の入口にあった公園を復活させるためのボランティア活動に参加してきました。
 
 
「瑞巌寺は海の近くにありながら、震災の津波の被害を免れた」
震災の後、こんなエピソードが何度も報道されました。
その結果、「松島はさほど被害がないらしい」という認識が広まっています。
そのためこちら奥松島の一帯までも被害が小さかったと誤解されたのか、震災直後は支援の手が思うように届かなかったそうです。
実際には、この奥松島一帯が津波の「盾」となって松島湾内を守ってくれた形なのですが・・・
 

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宮戸島は、釣り客が一年中絶えない島でした。
ホテルや旅館、民宿がいくつもあって、毎年夏には海水浴客で賑わっていました。
豊かな海の自然に恵まれた、漁業と観光の島でした。
 
そこへ東日本大震災。
津波は海岸の集落を流し去り、大量のがれきやヘドロを置いて行きました。
 
 
あれから1年余りが経ち、多くの人々の努力のおかげでがれきはあらかた片付きました。
さあ、次はいよいよ漁業と観光の復活です!
 
そんな住民の皆さんの思いを後押ししているグループの一つが、今日ご紹介する「NPO法人スマイルシード」です。
 
【森と海の約束】~ともに希望の森づくり~
「森づくりはひとづくり・街づくり」という考えのもと、
奥松島宮戸島を「いこいの森・希望の島」にするための活動に取り組んでいます。

スマイルシードは、「笑顔の種をまこう」を合言葉に石巻市や東松島市をはじめ沿岸各地でさまざまなワークショップや植栽活動に取り組んでいるNPOです。
この5月からは、奥松島宮戸島の玄関口から観光復興を柱とした植栽・植樹・花壇づくりなど景観回復にも取り組んでいます。


この日は、三井住友銀行グループのファミリーボランティアの子どもたちと、先月ご紹介した「山形若者ボランティアキャラバン隊」の第3陣、総勢約70人が参加しました。

現場説明を受ける三井住友銀行グループのファミリーボランティア。
子どもたちもたくさん参加しました。


ここは元々は蓮の花が咲く池もあるきれいな公園でした。
それが、津波で破壊された上に地盤が1m20cm以上も沈下して、すっかり変わり果ててしまいました。

しかし、スマイルシードが景観づくりに取り組み始めた5月以来、4カ月で延べ約1,000人ものボランティアが参加し、少しずつ公園の姿が形を現しつつあります


この日の作業は、水路づくり。
「憩いの場には木陰と水辺が必要」という考えから、泥に埋もれた水路の修復に取り組んでいるのです。

先週は全国から集った大学生と山形ボランティアキャラバン隊の総勢約300人が、手作業の人海戦術で3日間かけて水路を掘りました。ネットや小さながれきなどがそこかしこに埋まっているため、重機が使えないからです。

今日はその水路を安定させるために、海岸から砂と石を運んで川床に敷き詰める計画です。


2人1組で土のう袋に砂を詰めました。

拳ほどの大きさの石を集めましたが、
なかなか見つかりませんでした。

砂の入った土のう袋を水路まで運び、
砂を川床にまき広げました。

敷いた砂が流れないように、その上に石を並べました。

この日は気温が高いばかりではなく、ほんのちょっと先も霞んで見えるほどの湿度。
一番蒸し暑い時間帯の作業でしたが、大人も子どもも頑張りました。

大勢が一斉に取り掛かったおかげで作業ははかどり、30mほどの水路が2本、完成しました。


作業を終えて、「振り返り」の時間。
山形ボランティアキャラバンのメンバーが何人か感想を述べました。


「ここに着いた時はあまりの風景にショックを受けたんですけれど、作業をしているうちにだんだんときれいになってきて、気持ちもすっきりするというか、今日ここに来て良かったなあと思っています。これからも参加していきたいと思います」

「一人の力は小さいのに、みんなで力を合わせればこんな短い時間でも目に見える成果が現れることに驚きました。これからもボランティアとして、ちょっとずつでもやっていけたらなあと思いました」

山形ボランティアキャラバンからスマイルシードに、
水中ポンプとレーキが贈呈されました。


スマイルシード代表の黄本富士子さんは、汗を拭きながらこう言います。

「ここは宮戸島の入口。大きながれきはだいぶ片付きましたが、観光復興はまだまだ。日本三景・松島の一部として、またたくさんの観光客が訪れてくださるように、公園の森づくりに取り組んでいます」

「きっかけは、地元の“奥松島観光ボランティア”の皆さんから“木を植えてほしい”と声を掛けられたこと。県や市も賛成してくれました。この一帯は自然環境保全地域に指定されていますから、外から苗木を運びこむわけにはいきませんので、自生している木の実生を苗木として植えていく計画です」

「ボランティアとして自分が関わった場所は気になるものです。植栽は成長しただろうか? 水辺はどうなっただろう? その後が気になることでしょう。気になるので、いつかここに観光に訪れる。そうして何度もここを訪れて、気に掛け続けてもらうことが、この地域の復興に繋がると信じています」
 
 
スマイルシード代表の黄本富士子さん。
「水辺の次は木陰。そのために、来年はサクラを植樹します。
この辺りには土盛りをして、キャンプができるようになればいいな」

被災地では、たしかにがれきの撤去はかなり進んでいます。
でも、問題はその先。
そこに、誰が何を植えるのか?
誰が何を建てるのか?

これから、長い長い時間を掛けて、その回答が示されていくことでしょう。


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特定非営利活動法人スマイルシード
http://www.smile-seed.org/

TEL:022-711-9055



(取材日 平成24年8月18日)